父と癌 

がんになった父の闘病生活の記録です

5.初めての手術

”手術をすれば治る”

父も母も、私も家族全員が思っていました。

この手術さえ終わればすべてが元通り。

これで終わりなのだと・・・そう思っていました。

 

手術前は眠れない方などもいらっしゃるそうで、看護師さんたちが気を使って睡眠薬なども用意してくれたが、

父は早く手術して元気になる。そう思うとわくわくして嬉しくてたまらなかったそうです。

緊張することもなく睡眠薬も使わず爆睡。

ドラマなどで見たことのある、手術室の光景を見ながら、父は眠りについた。

此処から先は執刀医、看護師さんにおまかせである。

6時間かかった手術。

父が目を覚ますと手術は終わっていて

母が笑顔で父の目が覚めるのを待っていたそうです。

人工肛門にもならず、手術は終了。

腫瘍は巨大化し直腸に穴が空いていたそうです。

内臓脂肪が不思議にも穴を塞ぐようにべったりとついていたのが不幸中の幸い。

リンパ腺5本に飛んでいたためリンパ線も切除。

ステージⅢbの進行癌だったそうですが、切除できたのなら、なんでもええねん!!と父は嬉しそうに話していました。

 

私は父の手術が無事終了したことを母からメールで教えてもらいました。

”あぁ、終わったのね”としか思わなかったのです。

手術はうまく行った。

これで終わり。

私達家族は全員そう思っていました。

だけどここからが父の闘病生活の始まりでした。

この2007年の手術がとても懐かしくなるほど、

初めての手術でした。