父と癌 

がんになった父の闘病生活の記録です

8.再発

2008年、2009年何事もなく過ぎた頃、ついにリザーバーを外すことに決定。

CT検査後、結果を聞いて帰宅する。

その予定でした。

朝一番の予約。いつもならすぐに呼ばれるのに今日はずっと待ちぼうけ。

結局一番最後となり、診察室に呼ばれた。

”今からMRIをとりましょう”

そう言われた父は”なんとなく”を予想した。

母になんというか・・・そればかりが頭をぐるぐるしていて、

ラーメンが食べたかったはずの父はなぜかうどん屋に行っていた。

母は明るく笑いながら”なんとかなるでしょう”といったらしいが、あの弱い母が明るく父にそう言ったのはどれほど勇気がいったことか・・・

今なら背中をなでてあげれるのに、当時の私も父も家族全員、母は強いものだと思っていたから、母に何かを言って上げることなどしなかった。

当時どんなに不安だっただろうか・・・

今となって本当に支えになってあげられなかったことが悔やんでも悔やみきれない。

結果父は再発を告げられる。

肛門近くの尾てい骨(仙骨)の近くの二箇所。

骨盤内局部再発。

父は説明を受けるが右耳から左耳へを説明は流れていってしまっていた。

だってその日は

2月16日

父が愛した母の誕生日。

そんな日に父は、母へ再発の報告という最悪の贈り物をしてしまったという罪悪感でいっぱいになっていた。