父と癌 

がんになった父の闘病生活の記録です

16.頑張れという言葉

歩けるようになった父は嬉しそうに毎日毎日歩行器を借りて、7階をくるくる回ります。

今まで気にもとめなかった景色がすべて鮮やかに見えたそうです。

毎日毎日、点滴棒を引っ張り、管だらけの患者が母と看護師さんに支えられ病室前をうろうろしているわけで、

(ゆっくりしたかった当時、ご入院されていた7階病棟同士様・・・ごめんなさい)

全然知らない人が父に話しかけてくれました。

”頑張ってるね。”

そう言って微笑んでくれました。

”頑張れ”ではなく、頑張っていることをしっていてくれているからこその、

”頑張ってるね。”

この言葉は父にとってとても嬉しい言葉で

頑張っていることをわかってくれているからこその言葉であって、

しかも同じがん患者。同じようにがんと戦っているいわば、その方も頑張っている方に、

”頑張ってるね”と言ってもらえたことは父にとって今でも忘れられない言葉となりました。